トップ
開発事例

手書きの寸法図をAIが読み取り、建材カットを自動化 ── AI iBow × YubiCad 開発事例

手書きの寸法図をAIが読み取り、建材カットを自動化 ── AI iBow × YubiCad 開発事例

プロジェクト概要

日本の建設現場では、職人が卓越したスキルで現場の状況を見ながらその場で寸法図を描き、建材をカットして施工を行っています。耐火被覆工事もその一つで、鉄骨の形状に合わせてボード材を正確にカットする高い技術が求められます。

しかし、建設業界では今後の深刻な職人不足が指摘されており、熟練の技術をどう継承・補完していくかが業界全体の課題となっています。

解決へのアプローチ

Step 1: YubiCad × iBow ── 「カット」のデジタル化

まず、タブレットCADアプリ「YubiCad」とCNC切断機「iBow」を組み合わせることで、デジタル図面から正確なカットを実現しました。タブレット上で図面を描けば、CNC切断機が正確にカットを実行します。

⚠️ 残った課題: しかし、YubiCadでのCAD操作自体が現場の作業員にとってハードルに。職人が紙に手書きで描く寸法図のスピードと直感性には、タブレットCADでは追いつけません。

Step 2: AI iBow ── 手書き図面をAIが読み取る

そこで開発したのが「AI iBow」です。職人が描いた手書きの寸法図を写真で撮るだけで、AIが画像から形状と寸法値を読み取り、カットデータ(SVG)を自動生成。YubiCadに取り込んでiBowでカット実行まで、シームレスにつながります。

成果: 「手書き→写真→AI→カット」という直感的なワークフローにより、CAD操作のスキルに依存しない、誰でも使える建材カットシステムを実現しました。

開発したシステム

AI iBow — AI による寸法図の自動読み取り

手書きの寸法図を写真で撮影すると、AIが画像から図形の形状と寸法値を読み取り、CNC切断機用のカットデータ(SVG)を自動生成するシステムです。

複数のAIモデルを組み合わせたエージェント型の処理を採用しており、メインの推論エンジンが必要に応じて画像の拡大再確認や形状の判定補助を自動的に行います。人間が「読みづらい箇所をよく見直す」のと同じように、AIが自律的に段階的な確認プロセスを実行します。

手書き特有の誤認識(矢印と数字の混同など)への対策も組み込んでおり、プロンプト管理ツールによるバージョン管理やコスト追跡も実施しています。

YubiCad — タブレットCADアプリの UIUX 改善

Unity製のAndroidタブレットアプリで、指で建材カット図面を描画するためのツールです。本プロジェクトでは、AI iBow連携に加えて以下のUIUX改善を実施しました。

  • SVGインポート機能 — AI iBowが生成したカットデータを直接取り込めるように

  • 操作性の改善 — 寸法タップ修正、ドラッグ挙動改善、描画制約の緩和

  • テンプレート機能 — H鋼・デッキプレートなどの定型パターンをワンタッチで配置

導入効果

  • CAD操作のハードルを撤廃 — 経験の浅い作業員でも写真を撮るだけでカットデータを作成可能に。導入前はCAD操作に習熟した作業員しか対応できなかったが、導入後は現場の全作業員が対応可能に

  • 図面作成工数の大幅削減 — 従来のCAD操作による図面作成(約15〜30分/枚)が、写真撮影→AI変換で数分に短縮。「手書き→写真→AI→カット」の直感的なワークフローを実現

  • 手書き文字の高精度な読み取り — AIが読みづらい箇所を自動で拡大・再確認する段階的な認識プロセスにより、基本的な多角形の寸法図で高い認識精度を達成。矢印と数字の混同など手書き特有の誤認識にも対策済み

「前はCADが使える人にお願いしないといけなかったけど、今は写真を撮るだけだから自分でもできる。現場の段取りが全然違う」 — 現場作業員の声

今後の展望

現在は基本的な多角形の寸法図に対応していますが、今後は以下の拡張を予定しています。

  • 複合図形(複数の形状が組み合わさったパターン)への対応

  • 曲線を含む図形の精度向上

  • 現場特有の略記法や記号への対応拡充

まとめ

AIによる画像認識とタブレットCADアプリを連携させ、建設現場の耐火被覆工事におけるカットデータ作成を大幅に効率化しました。

  • AI iBow — 手書き寸法図からカットデータを自動生成するAIシステム

  • YubiCad — UIUX改善とSVGインポート機能でAI連携を実現したタブレットCAD

  • iBow — デジタルデータから物理カットまでを一気通貫で実行するCNC切断機

「手書き→写真→AI→カット」という直感的なワークフローにより、誰でも使える建材カットシステムを実現しました。

Contact

まずは、
状況を整理しませんか?

課題が曖昧でも、
検証の進め方に迷っていても、
方向性が定まっていなくても大丈夫です。
PMLは、本質探索と検証設計から、
あなたの挑戦を論理的に前に進めます。

お問い合わせ内容

必須